2017/11/11 00:00
デーツの歴史はとても古く、紀元前6000年代のエジプトでは既に主食とされていました。その栄養価の高さから「エデンの園の果実」「神の与えた食物」「生命の木」などと呼ばれ、クレオパトラも美容のためにデーツを良く食べていたと言われています。また、中東では断食後の栄養補給や妊婦の栄養補助食として欠かせない食べ物となっています。その効果は「妊婦が1日に3粒のデーツを食べれば元気な赤ちゃんが産まれる」と言われるほど。鉄分が多いので月経や出産で血液を失うことが多い女性にとっては心強い食べ物です。
では、デーツにはどんな効能があるのでしょうか。
まず、デーツには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸壁に溜まった有害物質を排出してくれる作用があります。食物繊維が多いということは良く噛むということにもつながるので、脳の活性化や認知症の予防、ドカ食いの抑制にもなります。血糖値の上昇も緩やかなのでダイエットや減量期に適しています。
次に、ミネラル類が豊富で、中でもカリウムの含有量はバナナの1.5倍もあります。カリウムは体内のナトリウムを引っ張って体外に排出してくれますので、塩分を摂りすぎたり、水分でむくんだ時に食べると効果があり、高血圧の予防にもなります。
ミネラル類ではマグネシウムも多く含まれています。マグネシウムは筋肉の収縮を防いでくれるので、脚の痙攣や肉離れの予防に効果があり、疲労回復も期待できますので、アスリートにも最適な食べ物です。また、マグネシウムは腸内の水分を集めて便を柔らかくしてくれるので、前述の食物繊維の効果と相乗して便秘の改善にも役立ちます。腸は脳からの指令を受けない「第2の脳」と呼ばれていて、全ての栄養素は腸から吸収され身体中の細胞へと送られていきます。腸内環境をしっかり整えることが健康・美容・長寿の秘訣と言えるでしょう。
その他に亜鉛やカルシウム、ビタミンB群、βカロテンなども含まれていて、免疫力アップや抗酸化作用が期待できます。ビタミン類は身体のコンディションを整えて代謝を上げる作用があるので、風邪をひきやすい、切り傷が治りにくい、などの症状に効果があります。また、亜鉛が不足すると味覚障害が起きたり、髪の毛が抜けやすくなったり、男性では精子の量が減少したりします。現代人は亜鉛やビタミンが不足している傾向がありますので、意識してしっかりと摂りたいところです。
また、カリウム、マグネシウム、カルシウムは神経伝達を良くするために必要なミネラルですので、不足すると学習面や運動面で影響が出てきます。集中力や反射力、記憶力を高めるためにも不足しないよう気をつけましょう。
これだけの栄養素を含有している訳ですから、中東で妊婦さんが毎日食べるのもうなずけますね。
デーツはなつめやしを乾燥したドライフルーツです。水分が抜けた分、甘味成分が凝縮されてミネラル類やファイトケミカルなどの栄養素が多くなります。小分けにして持ち運びができ、勉強や仕事の合間、運動時の補食に最適です。いつでもどこでも簡単に食べられますので、普段の生活に手軽に取り入れられる食べ物として忙しい現代人にはぴったりの食べ物ですね。
高野紀子先生
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